談話with Sekimoto Masaki vol.4 〜代表質問!

Masaki

今日は、令和7年3月3日に開催された、本会議(代表質問)について話をしたいと思います。

Jun

はなからすみませんが、代表質問って何ですか??

Masaki

はい、お答えします。いわゆる代表質問とは、定例議会において会派を代表して行われる、県政運営や予算案に対する重要な質問の機会です。一般質問とは異なる観点から、議会と行政の間で意見交換を行い、より良い県政運営を目指すための重要なツールと言えます

一般質問というのとは何がちがうんですか?

はい。一般質問は、議員個人が自身の考えや調査結果に基づいて質問を行うのに対し、代表質問は、会派を代表して質問を行うため、より大きな視点や政策レベルでの問題点などを提起する機会となります

ちょっと待って。ということは、文字通り会派を代表して市長や首長の施政方針や予算案などに対して質問を行う、ということなんですね?

その通り。だからちょっと緊張しましたよ(笑)

確かにそれは、緊張するけどやり甲斐もありそうですね、議員としては。

もちろん!だから準備万端で望みましたよ。今日はその内容をお伝えしたいと思います。長くなるかもしれないけど、自分で言うのも何ですが結構興味深い内容だと思うのでよかったらゆったり読んでみてください。

堅苦しいこと抜きで気楽に、でもしっかり、内容をお伝えできたら最高ですね!

はい。頑張ります。では早速、議題① 大和平野中央の県有地活用についてという内容についてお話ししますね。大和平野中央というのは今回、奈良県にある川西町下永地区を指すのですが、子どもを中心に多様な交流が生まれるまち KAWANISHI(下永地区)というキャッチフレーズで街の活性化を目指しています。

県が所有している土地を活気ある場所にするというプロジェクトですね。

そうですね。具体的に言うと、県では、大和平野中央における県有地の活用について、川西町下永地区は、「子どもを中心に多様な交流が生まれるまち」を基本的な方針とすることを、令和6年2月に公表し、取組を進めています

基本的な方針の内容は、一つは「地域の活性化につながり、子どもたちも楽しめる企業の誘致」、もう一つは「地域のスポーツの振興にも資する世界的スポーツチームの関連拠点の誘致」です。

企業と、スポーツですね、ふむふむ‥。

このうち、「世界的スポーツチームの関連拠点の誘致」についてなんだけど、先の12月議会の本会議で、奈良県知事より、サッカーの世界的ビッグクラブであるスペインの「FCバルセロナ」の下部組織である「バルセロナレジデンスアカデミー」の誘致を目指すことが表明されたんです。私は、大変素晴らしいチャレンジであると思っています。

わあ、国を超えてのプロジェクトなんですね、これは奈良県および川西町に注目が集まりそうなプロジェクトですよね?

そうなのです。川西町から世界にはばたくサッカー選手が誕生するのも、もしかしたら近い未来にあるかもしれないですね!楽しみです。なので、是非この計画を積極的に遂行していただきたいと申し上げました。

KAWANISHIの名が世界へ!

先日、知事が実際にバルセロナを訪れてFCバルセロナの幹部の方々と話をされて、奈良県への誘致に向けた前向きな反応があったと聞いていますよ。

素晴らしいっ!!是非奈良に、KAWANISHIに来て欲しいです!

そこで、私からの代表質問として、このような内容を知事に伺いました。

川西町下永地区におけるバルセロナレジデンスアカデミーの誘致について、トップセールスの手応えも含め、取組状況をお聞かせください。

知事の反応はいかなるもので?

FCバルセロナのトップのラポルタ会長との面談がかない、知事自ら説明をしてくださったとのことです。FCバルセロナのユニフォームを贈呈いただき、関係を構築できたみたいです。バルサアカデミーとはスポーツ交流やトップアスリートの人材育成に関して今後意見交換、協力をしていくと合意されたようです。先方からアカデミーを設置した場合大きなメリットがあるとのご意見もあり本件を高く評価されているようだ、とのことでした。非常に効果的な誘致活動であったと知事はおっしゃっていました。

それは良かったです、どうか子ども達の夢が叶う場所が出来ますように。

では、質問②に移りたいと思います。高校授業の無償化の拡充についてです。高校授業料無償化についてだけど、山下知事は就任して2年目の今年度(令和7年度)から私立高校の実質無償化を始められ、その早期実現には私自身驚きを隠しきれませんでした。

ありがたい話です、県民として。実際、どれくらいの人々の生活に影響しているのですか?

詳細は省かせていただくと、合わせておおよそ約4300名の方、またそのご家庭が恩恵を受けているということになります。今後も色々と改善策が出てくると思います。そしてこの議題について私が質問した内容というのが…

令和7年度当初予算において、高校授業料の無償化を拡充するねらいについてお伺いいたします。
という事です。これに対し、知事は、

県民アンケートによると81%程の方が制度をさらに拡充すべき、または現状維持でよしとの回答をされたとのこと。世帯間の補助額の格差が問題となっていると述べられました。今後は世帯間格差が減るよう、子どもの人数による補助額をなくしていくよう工夫されていくとのことでした。県としては国の補助に上乗せする形で補助していく方針だというお話でした。

これからも学業に励む子ども達の可能性が満たされる環境づくり、頑張ってください。

そうですね!さて、議題の③に移ります。県営平城宮跡歴史公園の整備について、という内容です。平城宮跡は世界的に見ても歴史的価値の高い重要な場所だと私も考えています。1月に開催された第4回部会では、奈良の食文化に着目して意見交換され、公園のコンセプトや導入機能は【食】をキーワードとしてまとめる、という方向性が示されました。

平城宮跡、大好きな場所です!なるほど、というキーワード、面白そうですね。これについては関本議員は知事にどう質問したのですか?

はい。観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会で議論された方向性を踏まえて、県として、今後どのように取り組んでいくのかを伺いました。知事の答弁は、

【日本の食のはじまりは奈良。世界と交わる地域とつながる空間づくり】という整備コンセプトを作りました。【食】に着目した背景は次の3点からで、奈良時代、平城京は様々な特産物が集まってきた日本の食文化のルーツが集まる場所だったということより美味しくより長期間保管できる食品加工技術が奈良県において開発され味噌などができ、日本各地に広がった日本の食文化は日本食や日本酒はユネスコ無形文化遺産にも登録され、国内外で関心が非常に高まっており、レストランも増えている、ということがあるのでコンセプトを作ったとのことです。食のハブ拠点としていくとのことでした。平城宮跡をストーリー性のある賑わいの場としていきたい、と述べられておりました。

なるほどです。あの素敵な場所にもっと活気が溢れたら私も嬉しいなあ、と思います。

そうですね!私もそう思っています。さて、続きまして…、議題④奈良まほろば館について、に進みたいと思います。

ああ!奈良のアンテナショップ的な、奈良まほろば館ですよね。

そうです、その奈良まほろば館、地域の物産品や食品・工芸品等の販売や、カフェバー、レストランバー(奈良の食材を使用)で食事を楽しめたり、イベントスペースもあって奈良の文化や行事についてのセミナー等が開催されたり…と、色んな事が行われてます。実は。

でもね、費用対効果という観点からみると…うーん、どうなんだろう、という数字が出てくるんですよね。

え!どういう事ですか?あ、でも経営しなきゃいけないから、どうしてもお金の流れについてはきちんと処理されなければ色んな意味で成立しませんもんね。

そうです。ちょっと数字が多くなってしまうけど、必要だから伝えますね。

先ほど言ったアンテナショップとして利用されている、奈良まほろば館1階の店舗売り上げが、令和4年約1億2000万円令和5年度で約1億4000万円令和6年度は12月末までで約1億1000万円となっています。

そして、奈良まほろば館では観光案内や移住相談なども行われているのですが、観光案内の人数としてもここ2〜3年の平均でおおよそ4000人前後。これを営業日数で割ると、1日数十人、1時間あたり1〜2人程度となります。

移住相談に関しては、令和3年度は12件、令和4年度、令和5年度は3件、令和6年度は1月末までで6件とのことです。

それが、簡単に言っちゃうとプラスの面だとして、でもプラスだけじゃないですよね?奈良まほろば館自体の賃料とかってどうなってるんですか?

実はそこが問題で、1階と2階の賃料だけで月額約1200万円、つまり1年で考えると1億4000万円以上となるんです。

うそん!売り上げとかの収益が年約1億と数千万円で、賃料が年1億4000万!

ちなみに、まほろば館に入っていただいている飲食店さんからも売り上げに対する一定割合の負担金はもらっています。

それでも、1億3000万円以上の負担となっているんです!

1億から1億5000万円前後の売り上げと、それ以外の奈良のPR施策に対して、賃料のコストだけでこの高額な費用です。

これは効果的と言えるのか…私は疑問に思いました。

ちょっと、私もよくわからなくなりました。

そこで、知事に伺いました。

首都圏における情報発信拠点の役割を担っている奈良まほろば館について、費用対効果の観点から、現状をどのように考えているのかをお聞かせください、と。

知事は、

奈良まほろば館は奈良県の魅力を発信するのに大きく貢献するものと考えておられる、とのこと。費用対効果をより一層高める努力は必要だと考えている、とおっしゃていました。具体的には、アンテナショップで首都圏で販売していない県産品の販売、消費者ニーズのフィードバックによる商品の改善等を更に改善していく、とのこと。奈良まほろば館が地域の活性化にとって有意義な施設となるようより一層創意工夫に努めるとともに費用対効果を意識し、行財政改革の徹底を考えていきたいと発言されていました。

アンテナショップ、有効活用されると、県民としても嬉しく思いますね!

はい!それでは、質問の⑤番と⑥番をまとめてみますね。

⑤土木技術職員の確保についてですが、土木技術職員の採用においては、応募者数は一定あるものの、最終的には定員割れの状況になっていて、業務に支障が出ないか危惧されるところがあるということ。それについて、県の県土マネジメント部長に人材確保はどう取り組んでいくのか、どうやって業務の効率化を図るのかを聞いてですが、

県土マネジメント部長は、今後どのように対処するかは大事なことだと考えているとのこと。採用試験制度の改革、リクルート活動の強化に取り組んでいるとのことでした。SPIの導入、公務員採用等、間口の広い制度に取り組んだとのことです。また、就学資金貸与制度に取り組み、仕事を知っていただくためのバスツアーなども導入されているとのこと。今後も制度改革をする予定とのことです。業務効率化への取り組みとしてデジタル技術の用い、ドローンやwebカメラの活用等に取り組んでいる。業務の民間委託もされている、とのことです。業務改善、業務効率化について働き方改革につとめていきたいとおっしゃっておりました。

⑥教員の確保についての質問では、教員の志願者を増やすためには、教育現場での働き方改革に取り組む必要があると考えるがどのように進めていくのでしょうか、ということと、教員未配置の状況を解消するために教員の確保にどのように取り組んでいくのかを教育長に質問しました。

教育長は、県の教育委員会では改善に向け教員が働きやすい環境づくり、潜在的な教員志願者の掘り起こしに取り組んでいる、とのことです。教員業務支援員、学習支援員の配置などを具体的に行なっているとのこと。部活においても補助を増額し、休日の部活動についての見直しにも努めているとのことでした。また、ペーパーティーチャー説明会や、LINEを用いた講師募集や、Instagramでの教職の魅力を伝える動画配信などに取り組んでいるとのことです。

いいですね!

それでは次は最後の質問、⑦ですが何が出るかな?

はい。これも是非ご注目いただければと思います。⑦自由進度学習について、お話しします。

自由進度学習?まだそこまで日本では馴染みのないフレーズですね。

今からわかりやすくご紹介いたします。

さて、令和3年のことなのですが、中央教育審議会から出されている【令和の日本型学習教育】の構築を目指して〜すべての子ども達の可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現〜 で、今から話すような課題が指摘されています。

学習指導要領では、個性を活かす教育の充実、等の規定がなされていましたが、学校においては【みんなで同じことを、同じように】を角に要求する面が見られ、学校生活においても同調圧力を感じる子どもが増えていったという指摘もある、とされています。

確かに、うちにも子どもがいますし自分も教育を受けてきた身としてそれを実感しますね。右向け右!で同じ方向を向くのが正しい、別の方向はダメ、みたいなのが慣例となってる気がします。

そうですね。そして、そういう課題を解消し、個別最適な学びを進める一つの方法が、自由進度学習なんです。

自由進度、なるほど少し雰囲気がわかってきました。

自由進度学習がどういったものかというのを簡単に説明すると、先生の指導の下、子どもたちが自ら時間割を組んで、学び方や学ぶペースを自分で決めて学んでいくというものなんです。

最初に先生から学ぶ内容について大枠の説明はあるんですが、その後教科書を読んだり問題を解いたり、タブレット端末で調べたりというのは、個人・もしくは友達と協働で、ということです。

ぱっと見、それぞれ自習をしているように見える授業方法ですね!新しい!でも、本当に実現可能なのでしょうか?

はい、実は既に自由進度学習を行なっている学校はあるんです。

それはすごい!今後の日本教育の変化の可能性を感じます。具体例はあるんですか?

実は、私自身、自由進度学習を行なっている学校の1つ、名古屋市立の山吹小学校で、1月末に授業見学も含めて視察をさせていただきました。それはもう、大きなカルチャーショックを受けましたよ!

実際に実施されている学校の視察が出来たんですね、いいなあ。どんな感じでしたか?カルチャーショック受けるくらいだから普通の一般の学校とはだいぶ違うんだろうなあ。

そうなんです。まず、基本的に一斉授業じゃないんです。ほとんどの学年・クラスで、机も黒板の方を向かず、周囲の子と話しやすいよう数人の班を作る形になっていました。

まず環境からだいぶ違うようですね、ワクワクしますね。

週のうち20コマは自分で時間割を組むので、私が見た授業時間の中で算数の問題を解く子もいれば、社会の調べ学習をしている子、国語で文章を考えている子がいたりと、それぞれが自分の勉強をしていましたよ。

へえー!面白いですね!子どもが主体で自ら学習するというスタイルみたいですが、先生の立ち位置はどう変化するのでしょうか?

先生は、それぞれの進捗を確認したり、手が止まっている子の様子をみたりしていましたよ。でも、教室内を歩くのも先生や友達に質問するのも自由となっていていましたよ。

とてもフリーダムな環境!でも、そうなると話するのが困難になるほど教室が賑やかになったり、サボっちゃったり、何もしない子が出てこないのかな、と思っちゃったのですが…

それに関しては、1年生から6年生まで、それぞれがしっかりと勉強していましたよ。もちろん、最初からこういう状態だったわけではなかったようですが、ゆったりと勉強のしやすい雰囲気でした!

他に何か気づいたこと、感じたことなどあれば教えてください。

はい!従来型のいわゆる一斉授業は他の子との能力差を如実に感じる場面も多く、自己肯定感の低下、いじめや不登校の一因となっているとも言われており、ここからの脱却を模索していくべきだと思いました。

そして、主体的に学ぶ力を育むためにも、できるところから自由進度学習を取り入れていくべきだという思いを強くしました!

本当ですね!ところで山吹小学校の児童は実際に自由進度学習のことをどう捉えて実施しているのかなあ?

質問紙調査によると、山吹小の児童の回答は、

学習した内容を次の学習につなげられるか、計画を立てて勉強しているか、課題の解決に向けて自分で考え自分で取り組んだか、というような質問に対し肯定的な回答をした比率が全国平均よりも5ポイントから10ポイント以上高い結果となっています。

もちろん、この小学校では、自由進度学習意外にもさまざまな取り組みをされていますからすべてが自由進度学習によるものだとは思ってないのですが、他で自由進度学習に取り組んでいる学校でも私が聞いた範囲では成果が上がっていて、自主性の育み、学力の向上に関しても有効な手段だと思います。

というわけで、ここで教育長に、児童や生徒が自ら主体的に学ぶ力を養っていくためには、児童や生徒の状況に応じた個別最適な学びを提供していくべきと考えますが、自由進度学習の取り組みについてどのように考えているのか、という点を伺いました。

教育長の答弁としては、自由進度学習を個別最適な学びを実現していくひとつの手段と考えておられるとのこと。学習指導要領の改訂が国で行われており、子どもが学びを自己調整し、教材や方法を選択できる指導計画や新しい時代にふさわしい学びや教師の指導性のあり方も審議事項として挙げられています。県外でも自由進度学習を始めとした、発達段階や各教科等の特質等に応じ児童生徒が自ら学習の進め方を調整し、主体性を育む実践を重ねている学校があると承知しているとのこと。今後も国の動向を注視するとともに全国の先進事例の研究をし取り組みを進めようとする市町村教育委員会や各学校を支援していくとのこと。引き続き各学校における校内研修等の充実をはかり、教員の授業力向上に取り組んでいく所存とのことでしたよ。

自由進度学習、奈良にも浸透して子ども達がのびのびと着実に学習できる環境が出来るといいですね!今日は色々教えてくださりありがとうございました!!

これからも奈良のために頑張っていきます!今日はありがとうございました!

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